2月、寒空の日本とは違い、インドの2月は毎日が小春日和。ぽかぽかと暖かく、延々と続く見渡す限りの菜の花畑も手伝って、そこはまるで夢の中のよう。
コルカタという大都市に滞在する時は、友達のお母さん、マーが作ってくれるご飯を朝昼晩と食べさせてもらっていた。
田舎街に滞在するときは、仲間たちに連れられるまま、川沿いの食堂や、よくわからない大きな白い建物の一角、など、食べ歩いていた。
が、メニューは大してどこも変わらない。
わたしが行く季節に出回っているのは、キャベツ、カリフラワー、大根、保存しておいたであろうじゃがいも、豆。
それくらいだった。だから、茄子やトマトなどの夏野菜を食べたことはない。
そして、日本のカレーと違って、インドで毎日毎日食べられるカレーというのは、野菜のスパイス煮といった感じのものである。
使うスパイスもシンプルで、基本はターメリック、コリアンダー、クミン。それだけである。味付けは塩のみ。
カルダモンやクローブなどは、あまり使われていなかった。
だいたいどの店も野菜か、チキンか、魚、卵が選べて、具が違うだけで同じ色と味付けのカレーが出てくる。
山盛りのご飯にザバっとかけてくれる。
添えられるように、ダール(レンズ豆のカレー)がかけられる。
青菜の炒め物も添えられる。
お腹がいっぱいになるまで、何度もおかわりが出来る。
だいたいどこも50円くらいだったと思う。
そして、20円くらいのチャイを食後にいただく。
ちなみにチャイは1日4回くらい飲んだと思う。
のんびりしたインドの人びとは、人口が多いからか、暇そうにしてる人もたくさんいて、ちょっと寄り合うだけでも20人くらいが集まってごはんを食べていた気がする。
彼らとあちらこちらでチャイを飲んだ。
小さなカップにふた口、三口で飲み終わるくらいの、熱くて甘い牛乳のチャイを。
11月も終わろうとする晴天の昼、ちょうど余っていたカリフラワーとキャベツと目が合い、インドの日々が思い出された。
かすんだ小春日和の中で、わたしも仲間たちも、甘いチャイと山盛りのごはんにいつだって満たされていた、そんな幸せな時間。